硫黄島の死闘

Iwo: Bloodbath in the Bonins 19 Feb – 17 Mar 1945

硫黄島の死闘

1945年2月、アメリカ軍は小笠原諸島の南端に位置する硫黄島への上陸し「デタッチメント作戦」を開始した。机上の計画で本作戦は、わずか5日で終わるとされていた。だが、アメリカ海兵隊は思わぬ苦戦を強いられ、多くの損害を被ることになる。結果としてこの孤島を巡る戦いは、今日にまで語り伝えられるほど太平洋戦争における屈指の激戦地となった。

概要

表紙

「Iwo: Bloodbath in the Bonins 19 Feb – 17 Mar 1945(邦題:硫黄島の死闘)」は、Decision Games(以下DG)のフォリオシリーズにラインナップされたゲームのひとつである。

DGのフォリオシリーズはヒストリカルなウォーシミュレーションゲーム群で、そのパッケージに特徴がある。それは小冊子のような二つ折りの厚紙ホルダーに、ルールブック、カウンター、マップなどがコンパクトに収められているのだ。マップはほとんどがハーフ~フルサイズ1枚、カウンターも80~100枚ほどで、ルールの修得のしやすさと価格の安さが売りとなっている。

フォリオシリーズはルール構成も工夫されており、数ページの汎用標準ルール(時代別に数種類ある)と、タイトル専用ルールの二部構成となっている。似たような時代を扱ったのフォリオシリーズのゲームであれば標準ルールは共通なので、ルールの修得がより容易になるだろう。

ファイア&ムーブメントルール

「硫黄島の戦い」で用いられているフォリオ標準ルールは「Fire & Movement」と呼ばれるもので、これは20世紀における陸戦をカバーしている。よく見かける標準的な作戦級ゲームシステムがベースになっており、ベテランプレイヤーならすぐに理解できるだろう。

「Fire & Movement」のターン構成は以下の通りである。

1. 移動フェイズ
2. 戦闘フェイズ
3. 機械化移動フェイズ
4. 機械化戦闘フェイズ

「Fire & Movement」で扱われる兵科は、大きく「徒歩部隊」と「機械化部隊」の2種に分類される。機械化部隊は、移動フェイズに移動していなければ機械化フェイズで移動が行える。また同様に、戦闘フェイズで戦闘を行っていなければ機械化戦闘フェイズで戦闘が行える。

また「Fire & Movement」では、原則としてユニットはスタックはできない。ただし、移動によって自軍ユニット上を通過することはできる。

「Fire & Movement」では、敵のZOC(EZOCと表記される)から隣接するEZOCへの直接移動することを「浸透(Infiltration)」と呼ぶ。浸透は通常の移動と異なった厳しい条件が課せられているが、全ての兵科で浸透を実施可能となっているのは「Fire & Movement」の特徴のひとつである。なお浸透ルールは、徒歩部隊と機械化部隊でルールが異なっている。

徒歩ユニット 機械化ユニット

戦闘はいわゆるメイアタックで、自ZOC内の敵ユニットへ攻撃可能であり、また戦闘後前進ルールも用意されている。戦闘結果は、攻撃側の攻撃力と防御側の防御力の「差」を求め、防御側が占める地形に応じた欄を戦闘結果表に照らし合わせる。防御側が恩恵を受ける地形効果は複合しない。防御側に最も有利な1種類の地形効果のみを地形の防御効果として適用する。

戦闘解決手順

この他に支援射撃(盤外からの間接射撃)もあり、これはややゲーム的に抽象化された処理となっている。

「硫黄島の死闘」専用ルール

本作は基本的にはソリティアであるが、2人対戦も可能になっている。以下、ソリティアルールについて述べる。

全ての米軍部隊は機械化移動と機械化戦闘が可能である。ただし、機械化移動フェイズでの移動力は半分となる。日本軍ユニットは全て1ステップで、裏向きの状態で配置される。このことを本作では「ダグイン」と呼ぶ。米軍が攻撃を行うか、日本軍が万歳攻撃を実施するときにのみ、日本軍ユニットは表向きになる。「ダグイン」について詳細は後述する。

支援射撃(砲撃)のルールは大きく変更され、また米軍と日本軍ではルールが異なる。米軍の砲撃は戦闘フェイズの開始時に実施する。1回の戦闘で最大2枚の砲撃マーカーが投入可能である。砲撃マーカーの枚数だけ判定を行い、それに成功すると、その戦闘で攻撃対象となった日本軍ユニットは「制圧状態」となる。「制圧状態」の日本軍ユニットは防御は可能だが、米軍ユニットは相互損害(Ex)などの戦闘結果で「損害なし」となる。

米軍上陸

日本軍は、日本軍戦闘フェイズにて砲撃を実施する。米軍の砲撃とは異なり、米軍ユニットに対して直接にダメージを与える効果を持つ。摺鉢山が陥落すると日本軍の砲撃力は弱体化するが、そうでなければ、史実と同様に米軍は日本軍の砲撃には手を焼くだろう。必然的に米軍は、ゲーム序盤は摺鉢山の早期陥落が最優先課題となる。

ダグイン

日本軍の「ダグイン」は本作の大きな特徴である。日本軍ユニットは1ステップのみで、裏面には要塞記号のみがある。セットアップで日本軍ユニットは、マップ上の定められた地点へ、全てランダムに裏向きに配置する。日本軍ユニットが、このように裏向きで置かれた状態を「ダグイン」という。これは、硫黄島に日本軍が構築した坑道や地下施設に日本兵が潜伏している状況を、米軍視点でシミュレートしたものだ。

ダグイン中の日本軍ユニットは、原則として移動も攻撃も行わない(例外:万歳攻撃)。その代わりに、戦力など詳細が米軍にはわからない。ひたすら地に籠もり、米軍から戦闘を仕掛けられることで初めて日本軍ユニットを明確にする。ダグイン中の日本軍ユニットは、防御時に米軍にとって不利な効果をもたらす。

日本軍ユニットが戦闘で除去されるとカップに集められる。もし、表向きになった日本軍ユニットが防御戦闘で生き残ったのなら、それは再び「ダグイン」して身を隠す。その手順はこうだ。まず、「生き残った」日本軍ユニットは、全滅した日本軍ユニットが集められているカップに入れられる。その中からランダムに1ユニットが引かれて、再びマップにダグインした状態で配置されるのである。

ダグイン

万歳攻撃

大戦末期において、日本軍が行うバンザイ突撃について米軍側は、おおむね適切な対応(弾幕射撃など)を行うだけの体制が整えられてた。バンザイ突撃を実施した後の日本軍部隊は確実に無力化するため、米軍は日本軍がそれ行うのを予測し、待ち構えていたほどであった。

しかし硫黄島の戦いにおいて日本軍は、徹底的な陣地死守の方針が貫かれ、無謀な敵陣地への突撃は厳しく戒められていた。そして米軍はこの方針転換を知らなかった。戦いが始まり、米軍の思惑に反して日本軍は無謀な突撃を行わず、上陸したばかりで無防備な米軍に対して地下坑道から集中的に攻撃を浴びせたのである。このことは、この戦いの序盤において、米軍の想定を越える損害を日本軍が与えた要因のひとつともなった。

これを反映し、本作でもバンザイ突撃(ルール表記では『万歳攻撃』)は、日本軍をある程度は追いつめた限定的な状況でしか起こらないようになっている。バンザイ突撃を行った日本軍ユニットはダグインから表向きとなり、(可能ならば)移動して最も近接した米軍部隊に攻撃を実施し、そしてその結果に関わらず戦闘判定後には消滅する。

勝利条件

マップ

本作は、全16ターンである。ただし、予備の第三海兵師団を1個連隊(4個大隊=4ユニット)投入するたびに、ゲームターン数は1ターンずつ減る。

全ターンが終了した時点で、マップ上に日本軍ユニットが1個でも残っていれば、日本軍の歴史的勝利となる。ソリティアであればプレイヤーの敗北である。つまり米軍の勝利は、日本軍ユニットをマップ上から完全に掃討することが大前提となっている。

日本軍ユニットを全滅させたのなら勝利判定が行われる。これは、米軍の被った損失だけを基準に判定される。ざっくり書くと、支援ユニットを除いた米海兵隊ユニットの損失が12ステップ以下なら米軍勝利、20ステップの損失なら日本軍の勝利、そして、そのいずれでもなければ引き分けとなる。

戦局から考えて、米軍がこの島の攻略に成功するのは当然の戦果であった。その上で、自国兵士(アメリカ人)の損失の多少が、本国の世論と内外の政治に大きな影響を与えていたのである。本作の勝利条件は、このような当時の歴史的背景に基づいて設定されたものとなっている。

所感

さて計算してみよう。米軍は毎ターン2ステップの補充を行える。補充を使用することで、ステップロスしたユニットを完全戦力にしたり、壊滅したユニットの再建したりすることが行える。補充を除いて米軍ユニットの損失を減らす手段は本作には存在しない。

最長16ターンであるから、ゲームを通じて米軍が受け取る補充は最大32ステップ分である。しかしゲーム開始時(第1ターン開始時)では米軍の損失がなく、また補充は次ターンに持ち越せないため、米軍は実質的に最大30ステップ分の補充を受け取ることになる。単純計算すると、海兵隊がゲームを通じて被る損失は、最大42ステップ以下に抑えなければ米軍は勝利できないことになる。

もっとも、実際にはゲーム中に米軍が被る損失数は、これよりも若干多くなってもよい。というのは、支援ユニットが除去されても勝敗判定には無関係だからだ。戦闘において米軍がステップロスの損失を被ったのなら、支援ユニットにそれを「吸収」してもらうのは常套手段となるだろう。ただ、そうすると支援ユニットは1ステップしか持たないので即座に壊滅し、(本作では例外的に)スタック可能な4攻撃力もの戦力が失われるため、日本軍に対する破壊力は確実に低下してしまう。

支援ユニットは、第四師団と第五師団で計8ユニット(=ステップ)ある。これに予備の第三海兵師団所属の支援ユニット4個を合わせると12ユニットとなる。仮に、第三海兵師団の支援ユニット4個(1個連隊)だけが投入された場合を考えてみよう。

第三海兵師団の1個連隊が投入されると、ルールによってゲームターン数は全15ターンとなるから、初回ターンを除いた総補充数は28ステップとなる。これに全ての支援ユニット12ステップを加え、勝利に必要な損失12ステップ以下に抑えるなら、勝利のボーダーラインは最大52ステップの損失となる。マップ上では必ずしも部隊の運用は最適化されるとは限らないので、この数値は絶対的な基準とは言えないものの、ゲームを進める上で有力な指標とはなる。

つらつらと書いてきたが、いずれにせよ本作のプレイヤーは、勝利のハードルが極めて高く設定されていることを覚悟しておいた方がよい。フォリオの戦闘結果表は攻撃側の損失が大きくなりやすいこと、ダグイン中の日本軍は防御時に優位であること、摺鉢山が陥落するまでは日本軍の砲撃が強力であること、そして硫黄島の地形の険しさなど、損害を抑えたい米軍には厳しい材料が多く揃っているシチュエーションだからだ。

前述のように、米軍には損失を減らす手段が限られているため、(ゲームターンは短くなるが)予備兵力の第三海兵師団を早めに投入することは、実質的に必須となるだろう。それをいつ、どの程度の規模で行うか、その決断は戦況に応じてよく見極める必要がある。

とはいえ、どれだけベストを尽くしたとしても、勝利条件を満たすには、多くの幸運に恵まれなければならない厳しい勝敗バランスとなってると私は感じた。もしかしたら、本作は競技性よりも、この歴史的な戦いの再現に主眼を置いてデザインされているのかもしれない。

1945年3月2日~8日の戦況

実際、本作をプレイすることで、硫黄島の戦いが米軍にとっていかに激烈な戦闘であり、それが今なお衝撃をもって伝えられているか、プレイヤー諸氏はその理由を、身をもって知ることになるだろう。

ルール不明点と解釈私案

本作のルールは、ウォーゲームとしては簡易で習得もしやすいのだが、残念ながら多くの不明点がある。DGのウェブサイトには本作のエラッタはなく、ルールブックもアップデートされていなかった。またBoardGameGeekには、非公式な情報しか投稿されていなかった。以下、私が何回かプレイした経験を踏まえた、不明確なルールの個人的解釈とその理由を掲載しておく。これらは参考としてお読みいただければ幸いである。

注:以下「日本語訳」と書かれているのは、私が本作を購入したときに添付されていた「製作:コマンドマガジン編集部」と書かれている抄訳である。また「原文」とは、DGのウェブサイトに配置されていた本作ルールブック(英文)のことである。

米軍の機械化移動と機械化戦闘(13.0/4.1)

全ての米軍ユニットは機械化移動と機械化戦闘が行える(13.0/4.1)とあるので、全米軍ユニットは1ターンに2回の移動と戦闘が行えると解釈した(機械化移動フェイズで移動力が半分になるのは、ルールの記述通りに適用する)。

また、機械化移動と機械化戦闘が可能であっても、米軍戦車ユニットを除いた米軍ユニットは徒歩ユニットであるとした(EZOCの扱いは徒歩ユニットのルールを適用する)。

機械化移動フェイズにおける浸透移動(5.1.2)

結論から書くと、私は米軍の機械化移動フェイズで浸透(EZOC to EZOC)は行えないとした。

「Fire & Movement」の浸透(5.1.2)は「MA」が基準となっている。EZOC内の徒歩ユニットは「全てのMA」の消費、同様に機械化ユニットは進入地形コストに「1/2MA」の消費が条件である。この「MA」とは movement allowance の略語であることが「5.0 移動」に記述されている(原文)。そして機械化移動フェイズには、この movement allowance が半分になると記述されている(13.0/4.1)。つまり、「MA」とはユニットに印刷された額面上の移動力そのものを表すことになる。

機械化移動フェイズでは、この移動力が「半分」となるのだから、徒歩ユニットは「全てのMA(=移動力)」を消費できない。また機械化ユニットも移動力が半分になると「1/2MA+地形進入コスト」を支払えない。いずれも浸透に必要なコストを支払えないのだから、それを行えないということになる。

なお、これと同様の理由で、嵐で移動力が半分になった米軍ユニットは移動フェイズでも浸透は行えないとした。

海岸ヘクス(13.0/5.2)と米軍の再配置(15.0)

海岸ヘクスへ上陸したフェイズでは通常の移動は行えないと規定されている(13.0/5.2)。したがって、上陸したターンに米軍ユニットは再配置(15.0)も行えない。また再配置での移動中に海岸ヘクスへ進入したら停止しなければならない。

本作の勝敗バランスが厳しいと思うなら、上陸した直後に日本軍ユニットから4ヘクス以上離れていれば、上陸ターンの通常移動フェイズで、米軍の再配置を可能としたり、再配置で移動中は海岸ヘクスの通過を可能としたりしても良いかと思われる。なおその場合でも、再配置の移動開始時~移動途中~移動終了時のすべてにおいて、日本軍から4ヘクス以上離れていなければならない、というルールは適用する。

上陸(14.2)

これも結論から書くと、米軍は移動フェイズと機械化移動フェイズのいずれも最大8ユニットの上陸が行えるとした。ルールには「上陸は移動フェイズにしか行えない(14.2)」と書いてあるが、14.6「洋上での補充」では、再建されたユニットが同じターンの機械化移動フェイズ以降で上陸可能と書いてある。原文でも同様。これをどう考えるか、という問題。

ルール文面に「移動フェイズ」と表記されていて、それが「機械化移動フェイズを含まない」場合には、14.5や15.0のように「通常の移動フェイズ(Regular movement phase)」と表記されている。つまり、単に「移動フェイズ(movement phase)」と記述されているのであれば、それは機械化移動フェイズも含むと私は解釈した。

実際にプレイしたバランスでも、また史実に照らし合わせても、2日間(1ターン)で上陸部隊が8個大隊(=2個連隊)では少なすぎるというのが、私がこの解釈に至った理由である。

米軍の火力支援の手順(16.2)

標準ルールでは、ある戦闘が解決された後に、別の戦闘の組み合わせを決めてよいことになっている。しかしながら、本作の専用ルールでは米軍砲爆撃は、戦闘フェイズの開始時に全ての砲爆撃マーカーを配置しなければならず、それはどの米軍ユニットがどのヘクスに対して攻撃を行うかを決めてから、と記述されている(16.2)。

よって、少なくとも米軍が砲爆撃を実施する戦闘については、上記のように攻撃ユニットと攻撃目標ヘクスを戦闘フェイズ開始時に明確にしなければならない、とした。また同様に、砲爆撃マーカーを配置しない戦闘においてはその限りではない、ともした。

米軍の火力支援の効果(16.3)

米軍砲撃の結果、日本軍が「制圧状態」となったときに米軍ユニットは「損害なし」となるが、具体的にどの「損害」が「なし」になるのか明確ではない。

原文では「~ no US loss is suffered on an exchange result in the ensuing combat.」となっており、戦闘結果が「Ex(相互損害)」のときに限って、攻撃側が被る「(A)」が「なし」となるように読める。つまり、ダグイン中の日本軍に対する戦闘において、「D2」「D3」で被る可能性のある「(A)」や、戦闘結果表に記載されている「(A)」の損害には「制圧状態」の効果は適用されないことになる。

しかし私は、日本軍ユニットが「制圧状態」となった戦闘においては、全ての「(A)」が無効となるようにした。これは勝利条件に直結する重要なルールであるので解釈には慎重でありたいが、仮にこの解釈が公式と異なっていたとしても、私は自身の解釈に基づいてプレイしたいと思っている。そうでもしないと、ただでさえ苦しい米軍の勝機が絶無となるからだ(なお、私の解釈でプレイしたとしても米軍が勝利することは、なお困難である)。

なお、日本語訳では制圧状態となるのは「通常戦闘」となっているが、これはダグイン中の日本軍との戦闘で適用される効果である(原文では単に『Combat』)。

任務部隊コリンズと第三海兵師団(17.4)

第三海兵師団を投入する前でも、任務部隊コリンズを編成可能とした。また第三海兵師団を投入した後に、戦車ユニットが予備ボックスに置かれていたとしても、同様に編成可能とした。いずれの場合も、予備ボックスの戦車ユニットはゲームから取り除かれるので、後でそれを使用することはできなくなる。

戦車の運用制限地形(17.3)

戦車ユニットを運用可能な地形の種類が日本語訳と原文が異なっている。原文では、制限があるのは「Ravine(渓谷)、Mountain(山地)、Mine(鉱山)」の3種である。これは原文の規定を適用した。

砲兵(Artillery)の定義(21.1)

日本軍のHQと砲兵ユニットが除去されるたびに、それは火力支援トラックに置かれる(21.1)。この「砲兵(Artillery)」が具体的にどの兵科を指すのかはルールに示されていない。兵科マークが四角に黒丸の日本軍砲兵大隊は6個あって、これは問題なく「砲兵」だろう。しかし対空砲、対戦車砲、噴射砲の各ユニットについて、私はこのルールに基づいた「砲兵」とは見なさなかった。

砲兵とHQ

BGGに登録されているVideoレビューを観ると、海兵隊の対空部隊を砲兵と扱っている。だが本作で日本軍の「砲兵」による砲撃効果は、間接射撃による米軍地上部隊への打撃として扱われているので、対空砲・対戦車砲の損失はその運用に影響を与えないと私は判断した。

なお、巻末の日本軍戦闘序列には、砲兵(Artillery)の項目に対空砲、対戦車砲、噴射砲の部隊が含まれているため、それをもってそれらの兵科を「砲兵」として扱うというゲーム的な解釈も成り立つだろう(私はそれを支持しないが)。

日本軍の砲撃目標(21.2)

摺鉢山の陥落前は、まず米軍が上陸した海岸ヘクスにいる米軍ユニットに対して自動的に砲撃マーカーを置く。上陸海岸ではない海岸ヘクスは自動的には配置しないとした。

この自動配置後に余った砲撃マーカーの配置判定は、摺鉢山陥落前なら(ヘクス2812ではなく)ヘクス2915から開始し、ヘクス番号が小さくなるような順で判定を行うとした。同様に、摺鉢山陥落後は(ヘクス0106ではなく)ヘクス0215からヘクス番号が大きくなるような順で判定を行うとした。

各米軍ユニットに対する砲撃マーカーの配置判定は、日本軍砲撃マーカーがなくなるか、あるいは判定を行う対象の米軍ユニットが存在しなくなるまで行うとした。また、砲撃マーカーの配置判定は1ヘクスに対して1回しか行わないし、既に砲撃マーカーが配置されたヘクスに対しても行わないとした。

Hill(丘陵)の効果(マップの地形凡例)

マップの凡例には「19.3参照(See 19.3.)」とあるが、これは21.3の誤りであるとした。また丘陵の地形自体は、移動や戦闘に影響を与えず、丘陵と同じヘクスに描かれている、別地形の地形効果を用いるとした。

なお、丘陵(Hill)とRavine(渓谷)の描画が紛らわしいので注意されたい。マップ上では丘陵に名称や高度が記述されているが、全ての丘陵がそのようにはなっていない。

ギャラリー